このページは総括篇とカナダの花のみ

日別記録編ー１　８月１４日から８月１７日までのキャンモア、アシニボインハイク、レイクルイズはこちらをクリック

日別記録編ー２　８月１８日から８月２４日までのエスプラナーデ縦走、バンフはこちらをクリック

参加者　アルパインツアーサービスのツアーメンバー７名（男２、女５）
　　　　　ほかにツアーリーダー志村真由美氏、エスプラナーデのみガイド堀口慎太郎氏、現地人ガイドのテリーとコックのグラント

総括編

　昨年６月にアルパインのフラワーハイキングのツアーで始めてカナダへ行き７６種類もの花を見ることが出来た。ツアーメンバーの一人にエスプラナーデ縦走をやった人がいて、とてもよいコースだと聞いて気持ちが動いた。アシニボインにも一度は行きたいと思っていたところ、３月１１日にカナダトレッキングの説明会があり、両方を組み合わせたツアーが特別に企画されることを知り、参加を決めた。エスプラナーデは縦走なので、今の脚力で三日続きの山歩きに不安はあったが、標高差が５００Ｍぐらいで一日の行動時間も短いから、来年は分からないが今年なら歩けそうだと思った。

　このツアーはカナダのほかのツアーに比べて値段が高かったためか参加希望者は少なかったが、６名でも催行することになり、ツアー代金７８０千円に燃料サーチャージ５０千円、一人部屋料金４６千円、空港使用料、保険料を加え、幾らかのポイント値引きを差し引いて、８８１，９３０円を振り込んだのは７月上旬だった。（参加者は８月に１名増えて７名になった。）

　値段が高い理由は、ホテル３泊、ロッジ６泊だが、ホテルよりもロッジの方が値段は高いと思われ、ヘリにも４回乗るためである。アシニボインロッジの宿泊費は上高地の帝国ホテルより少し安い程度である。定員は３０人、ロッジだから寝室はホテル並みとはいかないが、食事の内容は良く、上高地を上回る素晴らしい自然環境の中で独占的に営業しているためだろう。エスプラナーデも要因は同じである。アシニボインはブリティッシュコロンビア州の州立公園で、２６ＫＭ歩けば入れて自炊用の州立の小屋もあり道標もあるが、エスプラナーデはブッシュのため歩いて入れないそうであり、山中には道標がなく、登山道もはっきりしないところがあり、登山道でない所を歩いたりする。八ヶ岳の半分以上ありそうな広大な山域に入っているのはヘリで入った我々のグループだけ、山中の宿泊施設はＧＭＨ（ゴールデンマウンテンホリデイズ）という会社が作ったベッド、厨房、食堂の整った無人の小屋だけで、コックも我々と同じコースを移動する。このようなロッジに泊まって日本にはない自然環境の中を歩く贅沢さを体験すると、宿泊費の高さを納得できる。

　エスプラナーデの山歩きは私が今までに経験したことがない種類のもので、国土が日本の２７倍で世界で２番目に広く、人口が日本の四分の一に近い３４２３万人（２０１０年）というカナダらしいシステムである。

　前回のフラワーハイキングでは見かけなかった動物を今回は見ることが出来た、アシニボインとの往復の自動車道の脇で小型のグリズリーが夢中で灌木の実らしいのを食べていた。自動車道から鹿も見えたし、アシニボイン、エスプラナーでマーモット、レイクルイズでリスの写真も撮れた。

　天気はあまり良くなかった。一週間ぐらい前まで晴天が続いたそうだが、滞在した１０日のうち完全に晴れた日はなかった。アシニボインの３日は、入った日に一時晴れ間があっただけで、２日目は曇って何も見えずどこを歩いているのか分からなかった。それでも到着した時と出るときは一瞬だけアシニボインを見ることが出来た。エスプラナーデの５日は一時晴れても高曇りが多く一時シャワーという天気だったが、ハイキングと縦走の３日は歩くのに支障はなく、遠くの山も見えた。山を出る日の天気が一番悪かった。

　今回は山歩きの服装をどうするか分からないところがあった。アルパインの説明では北海道の夏山程度と書かれていたが、私は秋用の服装も用意し、アシニボインのハイキングを歩いた感じによってエスプラナーデの服装を決めようと思った。実際は完全な晴天がなかったためか気温は１０〜１５度ぐらいで、日が射しても気温は上がらず、北海道よりも気温は低く、Ｔシャツで歩くことはなかった。夏用のカッターシャツを着て、気温が下がれば冬用のマウンテンジャケットを着た。

日程は以下の通り。
８月１４日　成田で各地からのメンバーが集合し、ツアーリーダー志村真由美氏の説明を受けて手続し１６：００カナダ航空ＡＣ１０で出発。１０時間かかって
　　　　　　　１１時にカルガリーに着き、川嶋亮氏の出迎えを受け、キャンモアに移動、ホテルに荷物を置き、スーパーで昼食を買ってクアーリーレイクへ
　　　　　　　行って食べた。夕食は町へ行く。移動手段はヤムナスカマウンテンツアーの専用車で、川嶋氏が運転した。
８月１５日　９時半にホテルを出発し車で１時間半走ってヘリポートに着く。ヘリでアシニボインロッジへ行き、川嶋氏に依頼しホテルに届けてもらった
　　　　　　　昼食のおにぎりを食べ、サンバーストレイク往復のハイキングへ行く。
８月１６日　９時半にロッジを出発し、ナブピーク手前のナブレットへ行く予定だったが、霧で山が見えないため、途中からオフトレイルを歩き、昼食後
　　　　　　　エリザベス湖、セルリアン湖、サンバースト湖を周ってロッジに戻った。
８月１７日　９時半にロッジを出発し、ヘリ出発前の軽いハイキングにゴグレイクを往復した。ヘリでヘリポートに戻り、エスプラナーデのガイド堀口慎太郎氏
　　　　　　　の運転する車でレイクルイズに寄ってからホテルへ。ホテルで夕食。
８月１８日　８時にホテルを出発し、１時間半車に乗ってヘリポートへ。ヘリでサンライズロッジに着き、サンドイッチを作って食べた後パノラマドームを往復
　　　　　　　する。途中で黄色いカタクリを発見。
８月１９日　９時半にロッジを出発、サンライズロッジ近くにある、アバランチピーク、コーンピーク、ケルンピークをハイク。
８月２０日　９時半に出発してメドウ小屋へ縦走する。途中エスプラナーデの最高峰カポーラマウンテン２４３０Ｍを往復。
８月２１日　９時半に出発してビスタ小屋へ縦走する。ビスタ小屋へ下る地点で時間が余ったので、遠回りして稜線に上がる。
８月２２日　９時４０分にロッジを出発し、ヘリ出発前の軽いハイキングにビスタ小屋の下の湖を往復。ヘリに乗り、サンライズ小屋に寄って荷物を積み
　　　　　　　ヘリポートへ。車に乗り、ＧＭＨの事務所、レイクルイズのショッピングセンターに寄り、バンフのホテルへ。夕食は中華料理店へ行った。
８月２３日　トニーローマへ行って朝食を撮り、９時にホテルを出発し、１時間半走ってカルガリー空港へ。１３：４５のＡＣ００９に乗り、１１時間かかって
　　　　　　１５：４０に成田に到着した

カナダの花

　今回も花はキャンモア、アシニボイン、レイクルイズ、エスプラナーデの各所で見ることが出来た。アシニボインでは森の中の開けた場所にお花畑が連続しており、エスプラナーデでは稜線は岩が多いが、稜線から下ると草つきからお花畑、湖に続いていた。

　春の花で残っているものは少なかったが、インディアンペイントブラシ（ゴマノハグサ科）、タカネヤハズハハコ（ウーリープッシートウズ、キク科エゾノチチコグサ属）、ウサギギク（アルパインアーニカ、キク科ウサギギク属）、イワオウギ（ノーザンスウイートベッチ、マメ科イワオウギ属）、オヤマノエンドウ（ショウイーロコウイード、マメ科オヤマノエンドウ）、キンロバイ（シュラッビーシンクフォイル、バラ科キンロバイ）は咲いており、夏から秋にかけての、ヤナギラン（コモンファイヤーウイード、アカバナ科ヤナギラン）、ツガザクラ（レッドマウンテンヘザー、ツツジ科ツガザクラ属）、サワギク（トライアンギュラーリーブドラグウオート、キク科サワギク属）、ウメバチソウ（フリンジドグラスオブパーナサス、ユキノシタ科ウメバチソウ属）、アキノキリンソウ（カナダゴールデンロット、キク科アキノキリンソウ属）、ホタルブクロ（コモンフェアベル、キキョウ科ホタルブクロ属）、リンドウ（モスジェンティアン、リンドウ科リンドウ属）、キキョウ（アルパインヘアベル、キキョウ科イワギキョウ）が加わって、全部で４３種類、他に名称不明が４種、前回見なかった花が２０種類以上あった。

　驚いたのはエスプラナーデの初日に黄色いカタクリ、グレッシャーリリーを見つけたことで、雪が消えたばかりの場所だったようだ。チョウノスケソウ（ホワイトドライアド、バラ科チョウノスケソウ）、ミヤマオダマキ（イエローコロンバイン、キンポウゲ科オダマキ属）もアシニボインに一か所咲いているところがあった。殆ど綿毛になっていたウエスタンアネモネもアシニボイン、エスプラナーデで一か所ずつ咲いているのを見ることが出来た。

　写真をプリントし、ホームページにも載せたのは３０種類だが、それ以外の１３種類は、アルパインウイローハーブ、イワオウギ、白いイチヤクソウ、コバイケイソウ、シルバーベリー、ヤナギタンポポ、トウヒレン、小型のサワギク、ニワゼキショウ、ホワイトドラバ、ミミナグサ、リンドウ、レッドクローバーである。

アシニボインとエスプラナーデに共通して咲いていた花

キク科ウサギギク属	インディアンペイントブラシ	ウーリープッシートウズ
ウエスタンアネモネ	キク科フランスギク	キク科アキノキリンソウ属
アカバナ科ヤナギラン	キキョウ科ホタルブクロ属	キク科セイヨウノコギリソウ
バラ科キンロバイ	マメ科オヤマノエンドウ	キク科サワギク属
ユキノシタ科ウメバチソウ属	高地に咲くアカバナ科ヒメヤナギラン	リーフィーアスター、キク科シオン属
レザーリーブドサクサフリッジ	ツツジ科ツガザクラ属	オミナエシ科カノコソウ属

アシニボインで咲いていた花

キンポウゲ科オダマキ属	イチヤクソウ科ベニバナイチヤクソウ	ノーザンスウイートベッチ、マメ科
バターアンドエッグス、レイクルイズ	キク科ヤマハハコ、レイクルイズ	バラ科チョウノスケソウ

エスプラナーデで咲いていた花

キキョウ科イワギキョウ	ゴマノハグサ科イワブクロ属	グレイシャーリリー、ユリ科カタクリ属
パートリッジフット、バラ科	マウンテンソロー、葉が食用、酸っぱい	レッドモンキーフラワー、ゴマノハグサ科