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日別記録編　４月１３日から４月２１日までの日別記録はこちらをクリック

参加者　アルパインツアーサービスのツアーメンバー１５名（男６、女９）
　　　　　ほかにツアーリーダー須藤　史氏（以下、ＴＬと略称）、現地人ガイドのＨｅｌｄｅｒ

アルパインから入手したポルトガル全図

総括編

　１月に腰痛をこじらせたのが何とか治った３月５日に、４月のポルトガルへ行くツアーを申し込んだところ、参加者が少ないといわれ、残席が一つあるフラワーハイキングはどうかと勧められて参加することにした。イベリア半島は２年前にピレネー山脈をフランス側からスペイン側に抜けるツアーに行ったことはあるがポルトガルは初めてである。申し込んだツアーは、「ポルトガル・フラワーハイキングとアレンテージョの鷲の巣村９日間」であった。旅行代金４９８千円のほかに、一人部屋料金７０千円、空港使用料、燃料サーチャジ、保険料、ポイント値引きなどを含めた総額は６１１，０９０円だった。

　このツアーは入出国日以外の食事の自己負担がないので、現地での飲み物代として１９，５３０円を１５０ユーロに（レート１３０．２円）交換したが、食事の際の飲み物代は食事代の中に含まれており、払う必要がなかったので、１１０ユーロが残った。

　旅行社から送られてきた書類には、今回訪れる地域の気温は東京と同じくらいとあったので、ズボンは冬用、シャツは秋用とし、冬用と夏用のカッターシャツを予備に一組持って行き、現地の天候と気温次第で対応することにした。ハイキング時の実際の天候は、１日目と２日目が雨のち曇り、３日目が雨、４日目が快晴だったから、４日目だけシャツを夏用にしたほかは秋用を着た。

　日本と今回訪れる地域の時差はサマータイムのためマイナス８時間で、往路は成田を朝出て夜遅くリスボンに着き、リスボン２泊、マルヴァオン１泊、ミルフンテス１泊、サグレス２泊、リスボン１泊、帰路は機中泊の８泊９日だった。ハイキングは、ロカ岬、カステロ・デ・ヴィデからマルヴァオン、ミルフンテスの南の海岸、ロタ・ヴィンセンチナ周回コースの四か所で、カステロ・デ・ヴィデからマルヴァオンだけが内陸部で、他は海岸線の道であり、正味３〜４時間歩いた。

　今回のツアーはポレポレ倶楽部（ゆったり、のんびり歩く）になっており、フラワーハイキングなのだが、日本人は初めてと聞いたガイド（Ｈｅｌｄｅｒ、４６歳）の歩き方が速く、花の説明も僅かしかしなかったから、他のメンバーは花も碌に見ずにガイドについて行ったので、私のように出会う花の種類は全て写真に撮る者は間隔があいてしまい、２日目のハイキングでは道を間違えて４０分位ロスタイムが出た。今回も、ツアーの間、ＴＬからポレポレ倶楽部というのを聞いたことがなかったから、ガイドにもこのツアーはポレポレ倶楽部だからゆっくり歩くような指示はしていないと思う。

　今回のハイキング４回は全て約３時間と予定されていた。うち１回は一日中霧雨だったため予定を変更して短めにしたが、残りの３回の正味歩行時間は３時間５７分、３時間５４分、３時間３０分だったからカタログでは予定を約４時間としなければいけないと思う。（カタログでマルヴァオンに連泊すると書いてあるのも誤りである。）私は３時間ぐらいの歩行なら疲れはひどくならないと思ったが、第１日目は日本で朝起きてからリスボンで夜寝るまで３０時間ぐらい眠っておらず、第２日目と第３日目が４時間近い歩行時間になることを知っていたら対策を考えたと思う。おまけに帰国時の朝の飛行機が５時になったため、最後の日にＦＡＤを聞く予定が変更になって、第２日目に外のレストランで夕食後民謡のＦＡＤを聞いたが、演奏に入り照明を落とすと眠ってしまうのを抑えられなかった。４日間のハイキングのうちで第２日目のハイキングが一番きつく、睡眠不足の日に一番きついコースを予定したのは適当ではない。男性の一人は体調不良で夕食とＦＡＤに参加しなかった。ホテルに入った時間は、第１日目が２３：２０、第２日目が１７：５０、第３日目が１９：０７で、フラワーハイキングという名前はついているが、３日目まではかなりの強行スケジュールだったと思う。第４日目以後は楽なスケジュールだったから、日程を工夫して第２日目と第３日目を楽な内容に変更することは可能だと思う。

　海岸線を歩くツアーは初めてで、歩く人は少ないのではないかと思っていた通り、出会う人は、ロカ岬やサグレス要塞のような観光地をのぞけば、多くはなかったが、海岸線でもトレッキングスタイルで歩くいくつかのグループに出会った。

　今回のＴＬは添乗員の仕事は良くやったが、ツアーリーダーとしては物足りなかった。フラワーハイキングなのだから花の知識を持っていて説明できなければいけないと思う。ガイドも花の知識に乏しく、ポルトガルの花の図鑑を持っていたが、図示できたのは僅かで、花以外の木も含めて４日間全部で１５種類ぐらいしか説明しなかった。

　今回のガイドは花の知識は余りなかったが、シントラでチェリーワインの試飲をさせてくれたり、サグレスの灯台で大きなカステラを切り分けて食べさせてくれたり、リスボンでもエッグタルトを一つづつ食べさせてくれたりした。ガイドにこんなことしてもらったのは今回が初めてである。ポルトガルのやりかたなのだろうか。

　ポルトガルでは水道の水が飲めた。ホテルの枕銭は一泊１ユーロぐらいで出さなくても良いといわれたが、食事の時の飲み物代が不要だったから、つり銭が入らずコインに不足しており、連泊したリスボンとサグレスだけ２ユーロづつ出した。食料品の付加価値税は６％だったが、買い物を入れたビニール袋とマデイラワインは２３％だった。リスボンでは公衆トイレが少なく、０．５ユーロが必要なトイレを１回使った。

　晴れたのは４日目の移動日と７日目のハイキングだけで、５日目は終始霧雨の中、他も雨模様であり、フラワーハイキングだというのに花の説明も碌に受けず、海岸をせかせかあるくだけで、年寄り向きとは言えないツアーだったが、食事の内容は非常にヴァライティに富んだものであった。２日目から７日目までの６日間の昼食と夕食、１２食の内容は全て違っていた。主な料理を書くと、昼食は弁当が３回だが、メロンスープとツナサラダ、辛し味のサーモンとハチミツ味のパスタ、サンドイッチで、昼食の定番サンドイッチは１回しかなかった。レストランでの昼食３回は、豚と栗の料理、海老とアボガドのサラダ、海老と魚のリゾットであった。夕食の６回は、二人一皿の各種前菜と料理、キノコの前菜・鱈の揚げ物、蛸とジャガイモとピーマンの料理、鱈とジャガイモ、マグロのカルバッチョ・スズキとエイのトマトソース、南瓜のスープ・鳥ハマグリジャガイモの料理といった具合である。ビールとワインは食事代に含まれていて、２杯以上は有料といわれたが、赤と白のワインが４本づつ出て、アルコールを飲む人が少なかったために、私はビール１杯とワイン３〜４杯を飲んで酔いが回り、寝酒用に持って行ったウイスキーは入国日だけしか飲まなかった。ビールの味も良く、ワインもスペインに比べて上質だった。私は旅行中に、花より団子というけれど、フラワーハイキングよりも、実態はグルメハイキングなのかと錯覚したくらいであった。


日程は以下の通り。
第１日目は、成田で１５人中５人のメンバーとＴＬが集合して手続し、オランダ航空ＫＬＭ８６２で出発。１１時間１ ６分かかってアムステルダム着。
　　　　　　　　大阪からの１０人のメンバーも合流し、入国チェックを受け、ＫＬ１６９７に乗る前に自己紹介、２時間３５分かかってリスボン着。
　　　　　　　　トランクを受け取り、ホテルに向かう。夕食は アムステルダム空港でビールを飲みながらサンドイッチを食べた。リスボンの
　　　　　　　　ホテル到着は２３：４０。成 田から２１時間１５分かかった。風呂に入って寝たのは１時１０分、朝起きたのが３時２０分だったから、
　　　　　　　 ２９時間５０分寝ていなかったことになる。

第２日目は、モーニングコールが６時３０分、８時３０分ホテルを出発、４５分バスに乗り、街中で下車して海岸へ向 かって歩く。海岸を歩き、
　　　　　　　　アドラガで昼食後、急なアップダウンの道を歩いてロカ岬の北の台地に登り、舗 装道をロカ岬まで歩く。ロカ岬から車でシントラの
　　　　　　　　町へ行き、離宮跡、ムーア人の砦を眺めながら街中を歩 く。ホテルに戻り、１９：４５に出発して夕食を摂った後ポルトガル民謡
　　　　　　　　ファドを聞くが、睡眠不足のため 、民謡を演奏するときに照明を落とすと眠ってしまうのを抑えられなかった。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　予定３時間、実際の正味歩行３時間５７分。
第３日目は、車でカステロ・デ・ヴィデへ行き、昼食後雨具を着て城を見た後、マルヴァオンへ向かって歩く。雨は途 中で上がり２時間ぐらいで
　　　　　　　　雨具を脱いだ。その２時間ぐらい後で、先頭と最後尾の間が離れ、道を間違え て４０分位ロスした。所要時間は予定よりも余計に
　　　　　　　　かかり、ホテルに着いたのは１９時７分だった。夕食は ホテルで摂った。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　予定３時間、実際の正味歩行３時間５４分、登り標高差２２０Ｍ。
第４日目は、朝食前にマルヴァオンの街中を歩いて城へ行き屋上から昨日歩いたカステロ・デ・ヴィデやマルヴァオン の集落を見下ろす。
　　　　　　　　朝食後車に１時間４５分乗ってエヴォラへ行き、街中や教会を見て昼食を摂り、車に２時間半乗ってミルフ ンテスへ。夕食は歩いて
　　　　　　　　近くのレストランへ行った。

第５日目は、霧雨が降っていたので、予定を変更して、車に１７分乗ってミルフンテスの少し南へ行き、海岸を歩いた 。３時間ぐらいで出発点に
　　　　　　　　戻り、休業日だった喫茶店の屋外のイスとテーブルを使って昼食を摂り、車に１ 時間４０分乗ってサグレスのホテルに着いた。
　　　　　　　　夕食はホテルで摂った。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　予定変更、実際の正味歩行２時間５１分。
第６日目は、予定では昨日歩く予定だった周回コースをこの日に歩いた。車に２５分乗った所から海岸線の道を歩き始 め３時間後にレストランで
　　　　　　　　昼食、更に１時間１０分歩いて駐車場へ行き、車で、スーパーへ行き買い物。そ の後ヨーロッパ大陸南西端の灯台と
　　　　　　　　サグレス要塞へ行き、ホテルに戻る。夕食は近くのレストランへ行った 。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　予定３時間、実際の正味歩行３時間３０分。
第７日目は、車に４時間乗ってリスボンへ行き、昼食後、市内観光。最後にスーパーへ行き、ホテルへ。夕食は近くの レストランへ行った。

第８、９日目は、モーニングコール１時半。ホテルを２：２６に出てリスボン空港に２：４２着。手続きを済ませて５ ：００出発予定のＫＬ１６９２に
　　　　　　　　乗り込んだが、飛行機が故障といわれ、飛行機から降りて、トランクを 受け取り、ＫＬＭの対応を待つ。
　　　　　　　　東京組はロンドン経由、大阪組はドバイ経由で帰れることになり、東京組は９：２０トランクを預け、１ １：１０のＢＡ５０１でロンドンの
　　　　　　　　ヒースロー空港に１４：００着、１５：５０のＢＡ６０１で成田着１ １：３６。朝食はリスボンのホテルでクッキーを３枚食べ紅茶を飲んだ
　　　　　　　　だけ、ロンドン発のＢＡで夕食が 出るまで１７時間弱何も食べることが出来なかった。出国手続きは簡単だった。飛行時間は
　　　　　　　　ロンドンまで３時間５０分、ロンドンから成田まで１２時間４６分で、朝起きてから自宅までは３１時間かかった。