参加者 　ワンゲル仲間。７０歳の男性４人。

天候　　　１０月１２日（木）、１３日（金）両日とも雲はあったが晴天であった。

コースと時間　
１０月１２日　八王子駅８：０３―南小谷駅（１１：４１〜１１：５５）―平岩駅（１２：１５〜１２：５３）
　　　　　　　　―蓮華温泉１４：０５
１０月１３日　蓮華温泉１４７５Ｍ、７：０４―休憩３回―天狗の庭２０５０M（９：０３〜９：１３）―休憩２回―
　　　　　　　　昼食、白馬大池２３７５M（１０：５２〜１１：１７）―乗鞍岳頂上２４３６．５M
　　　　　　　　（１１：５４〜１２：０８）―休憩２回―ロープウェイ駅１８３０M（１４：４２〜１４：４９）―
　　　　　　　　栂池高原駅８２０M、１５：２８―白馬駅（１５：４１〜１６：３３）―信濃大町駅１７：１１
　　　　　　　　行動７Ｈ３８　歩行６Ｈ０４（登り３Ｈ１０、下りは２Ｈ５４）　休憩１Ｈ３４

概況
　私が学生時代に在籍したワンゲルのシニア会が今年は信濃大町で行われるので、ついでに山行きも考えようと塩尻在住のS氏と相談した結果、蓮華温泉に前泊し白馬大池を越えて栂池に下る計画になった。蓮華温泉―栂池は、私が大学３年の時の夏合宿のコースの一部を逆にたどるものである。平岩から蓮華温泉に入るバスは前日までのため、平岩駅前で昼食し、タクシーを使うつもりであった。
　ところが無人駅の平岩で列車から降りてみると、駅前には郵便局とよろずやが１軒あるだけである。昼食はよろずやでカップラーメンを買い、お湯を入れてもらって食べた。タクシーは駅の有線電話で南小谷から呼ぶように教えられた。聞けば、数年前に姫川で大規模土石流があった際、平岩駅の周辺は破壊されてしまったとのこと。近くの姫川温泉に来る客も少なくなったという。タクシー代は南小谷からの回送料が３千円、メーターは７１２０円だった。距離は約２１KMである。タクシーが高度を上げるに従い、葉の色づきが増してゆき、１４７５Mの蓮華温泉の周辺は見事に紅葉していた。宿から、雪倉岳、赤男山、朝日岳が見える。紅葉シーズンのためか、平日なのに当日の宿泊客は２４人であった。
　宿は蓮華温泉ロッジという名前で、旅館というより高級な山荘である。部屋には座布団も、屑籠もない。ごみは持ち帰りである。野天風呂は数箇所あるが、靴を履いて山道を１０分ぐらい登る必要がある。一番上のほうにあった仙気の湯が一番大きく、４人入ってもゆったりしていた。食堂で湯上りの生ビールを飲み部屋に戻ると、S氏の自家製ワイン、K氏の泡盛、W氏が平岩駅前で買った清酒「謙信」が出てきて、酒盛りが始まった。
　翌１３日６時２０分に朝食をとり、スパッツをつけて７時過ぎに出発した。今回アイゼンは必要なかろうと携行しなかった。私は３日前に、毎日新聞旅行のツアーで越後駒ケ岳に登り、正味８時間半ぐらい歩いて、左膝をまた痛めたので、今日は８０歳並のペースで歩くように頼んでおいた。登りはともかく、下りは超スローペースを覚悟していた。
　天狗の庭で森林限界を抜けると、西側に小蓮華から雪倉、朝日へと続く雪の稜線がくっきりと現れた。さらに高度を上げて白馬大池にくると、湖面にはガスが流れていた。その先は大きな岩の上を歩くようになり、雪も少しついていたが、スパッツの効果があった箇所は僅かであった。低気圧の通過で荒れた先週に比べ今週は晴天が続き気温も高めで、白馬付近で遭難があった１週間前に比べて雪はかなり溶けていたと思う。１箇所だけ雪の深い斜面があり、ストックが役立った。
　緩い斜面を少し登った乗鞍岳の頂上は、大きな岩がころがるだだっ広い場所である。あいにくガスが出て、小蓮華の方面が少し見えるだけであった。乗鞍岳からの下り道は大きな岩が連続する急な傾斜であった。４９年前にこの道を登った時は重いキスリングを背負っていたが、歩き方が緩やかだったので楽だったことを覚えている。この日の下りは、左足をまげて力を入れるとひどく痛むため、左足から先に下に下ろさなければならず、かなり時間がかかった。最近の昭文社の地図では蓮華温泉から白馬大池まで上り３Ｈ，白馬大池から栂池までの下り２．５Ｈとなっており、これが休みを入れない時間だとすると、これに対する我々の所要時間は、登りが３時間１０分、下りは２時間５４分であった。左足は翌日少し腫れていた。
　下りの途中から鮮やかな紅葉を俯瞰したが、栂池自然園駅周辺の紅葉は盛りの時期であった。栂池自然園の中には歩くコースが幾つか作られているようだ。栂池自然園駅からはゴンドラとロープウェイを乗り継いで栂池高原駅に下りた。標高差約千Ｍで料金は１７２０円であった。ロープウェイからは八方尾根、雨飾山、高妻山が見えた。栂池からはタクシー２８００円で白馬駅へ。駅前から白馬三山が良く見えた。白馬駅からの列車の接続が悪く、約５０分待たされた。このため集合場所の大町温泉叶家に到着したのは１８時に近く、宴会を３０分遅らせてもらったが、１年ぶりで会う人も多く、相変わらず元気な顔を見ることが出来た。集合写真に写っているのは全部で２８人である。叶家は、大町のパンフレットの旅館紹介の最初に写真が載っており、なかなか良い宿であった。
　次の日は、栂池自然園行きなどの幾つかのグループに分かれた。私は１３人のグループで、安曇追分にある知人が開いている「ギャラリー留歩」を見に行き、穂高駅近くで蕎麦を食べ、碌山美術館を見て帰った。叶家の女将は昨日庭先に熊が出たと興奮していたが、「ギャラリー留歩」の周りには木の実がたくさん落ちているのに熊の出現は聞かないそうである。「ギャラリー留歩」を見たい人は前もって連絡しておく必要がある。

蓮華温泉付近の紅葉	蓮華温泉から雪倉、赤男、朝日	白馬大池
乗鞍岳から小蓮華	栂池自然公園付近の紅葉	列車から白馬と小蓮華

天狗の庭から小蓮華、鉢岳、　　　　雪倉、　　　　　　　　赤男、　朝日